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整形外科
股関節専門外来

当院整形外科では、骨折などけがの患者様の他、股関節の痛みを訴える患者様が多く受診されます。股関節が変形する病気(変形性股関節症)に対して、人工股関節に入れ替える手術や、股関節の形成が悪い方(臼蓋形成不全症)に対して、股関節の形成を良くする手術(寛骨臼移動術)を行なっております。福岡市内でも有数の手術件数です。

臼蓋形成不全症とは

生まれつき股関節の屋根の部分(臼蓋とか寛骨臼と呼ばれる部分)が小さい場合があり、これを臼蓋形成不全症と呼びます。乳幼児期の先天性股関節脱臼の治療歴がある場合もそうでないこともあります。女性に多く、両側例が多数みられます。骨頭と呼ばれる体重を支える部分が臼からはみ出しており(亜脱臼)、そのため不安定で、かつ小さい面積で体重を支えているため、負担がかかり痛みを生じます。放置すれば徐々に進行して、関節軟骨という骨表面の潤滑組織が磨耗し、骨がむき出しとなります。さらに骨が変形をおこし、球状ではなくなるため関節の動きも悪くなり、骨頭は屋根の欠損した外上方に移動し足が短くなっていきます(変形性股関節症)。

治療法

臼蓋形成不全があれば変形性股関節症へと進行するため、痛みがでれば手術が必要になります。臼蓋形成不全を補正するため寛骨臼移動術(あるいは寛骨臼回転骨切り術RAO)という手術を行います。この手術は病期が初期であればより効果的です。

変形性股関節症とは

いろいろな原因で股関節の関節軟骨が擦り切れ磨耗して軟骨下の骨が露出しこすれあう病態です。さらに骨頭や臼蓋の周辺部に骨棘(こつきょく)と呼ばれる骨が作られ、関節が徐々に変形します。原因で一番多いのは臼蓋形成不全症によるものです。ほかにも脱臼骨折などの外傷後や大腿骨頭壊死症によるものなどがあります。病気が進行すれば歩行時だけではなく安静時も痛むようになり、杖なしでは歩行できなくなります。動きもだんだん悪くなり、靴下を履いたり、足の爪を切ったりすることが難しくなります。末期となれば人工股関節置換術が必要となります。

治療法

病気の進行を予防するため(末期股関節症とならないように)、それぞれの病気に応じた治療が必要です。臼蓋形成不全があれば寛骨臼移動術(寛骨臼回転骨切り術)、骨頭壊死症であれば転子間回転骨切り術、内反骨切り術などの治療により、進行防止が可能です。やむなく末期股関節症となれば、人工股関節置換術の適応となります。

人工股関節術について

人工股関節置換術は除痛効果に優れ、また関節可動域(関節の動く範囲)が改善し、さらには足の長さをそろえることが可能となります。術後の回復が早く、早期の退院、社会復帰が望めます。多くの人が2ヵ月後には杖なしでも歩けています。最近では症例に応じて7~8cmの小切開で手術が行われ、更なる早期の回復が期待されます。全国で年間約3万例の手術が施行され、年々増加傾向にあります。人工関節の素材やデザインの進歩により耐久性の向上が期待されていますが、長期成績は不確実であるため、活動性の高い青壮年期には積極的には行われません。そしてこの手術を受けた場合、人工関節のゆるみがないか年1~2度の定期検診が欠かせず、ゆるみを生じれば再手術が必要となります。また術後脱臼の問題もあり、慎重な手術適応が望まれます。

大腿骨頭壊死症とは

大腿骨頭の虚血により大腿骨頭の骨壊死を生じ、壊死部の陥没がおこれば関節面に不整が生じ、関節の不適合がおこります。徐々に骨頭は亜脱臼し、関節軟骨が磨耗し変形性股関節症へと進展します。大腿骨頚部骨折や脱臼などの外傷後におこる場合や原因が不明(特発性(とくはつせい))の場合があります。ステロイドホルモンの使用やアルコール多飲が誘因となることもあります。子供におこることもあります(ペルテス病)。

治療法

体重がかかる部分に壊死があれば病期の進行は避けられないため、骨頭内に残る正常骨で体重を支える必要があります。骨頭の後方、前方、あるいは外側に健常部があれば頚部で骨切りすることで荷重部を再建することができます(前方あるいは後方回転骨切り術、内反骨切り術)。病期が進行していれば人工股関節の適応となります。

小児の股関節疾患
ぺルテス病

小児の大腿骨頭壊死症で男子に多くみられます。年齢が若いほど(8歳以下)治りがよく、年長者では骨頭の変形(扁平骨頭)を生じ、脚短縮や股関節の動きの制限を残す場合があります。将来変形性股関節症となる恐れがあります。

【治療法】
治療は壊死した骨が変形なく直るようにすることです。治癒するまで体重が過度にかからないよう坐骨支持の免荷装具をもちいます。場合によっては手術療法を行います。

大腿骨すべり症

大腿骨頭の骨端線(成長軟骨板)の障害でその近位骨端部が後方にすべりおちた状態です。10歳から14歳の、肥満傾向の男子に多くみられます。約20%は両側におこります。股関節の痛みと跛行がみられ、股関節の内旋(うちにひねる動作)ができなくなります。股関節側面のレントゲン写真が診断に重要です。

【治療法】
治療の第一はすべりの進行を防止することで、後方にすべった骨端部を釘で固定します。成長に伴いすべった骨端部の自家矯正が期待されますが、すべりが高度の場合は骨切り術で矯正する場合があります。骨端線が閉鎖するまで、そして骨端部の壊死や関節軟骨融解といった合併症がおこらないか注意深く診ていく必要があります。

 
診療内容

整形外科は主に手足や背骨についての悩み(痛み、しびれ)に対して治療を行う診療科です。私たちが扱う分野は多岐に渡ります。

  • 骨折、脱臼等の急性外傷
  • 主に加齢による変性疾患 (変形性関節症)
  • 代謝性骨疾患 (骨粗しょう症など)
  • スポーツ外傷・障害 (靭帯損傷など)
  • 腫瘍・炎症性疾患 (骨軟部腫瘍、関節炎、関節リュウマチなど)
  • 各疾患に対するリハビリテーション

【参考】リハビリテーション科

変形性股関節症

変形性股関節症とは、股関節の軟骨が磨り減り、変形が進行し、痛みが出てくる病気です。多くの変形性股関節症は、もともと股関節の形成が悪い女性の方に発症することが多く、若い頃に股関節に違和感があり50〜60歳代で股関節や大腿部の痛みが増強します。レントゲンで見ると軟骨が磨り減り、股関節が変形しているのが分かります。進行期や末期の股関節症の状態になると痛みが強くなり、人工股関節置換術を行ないます。

人工股関節置換術

人工股関節置換術は悪くなった股関節の頭と受け皿を人工物に置換する手術です。手術を行なうと痛みがなくなり、日常の生活が楽になります。手術を行なう方は、手術の3週間前くらいに、念のため、自分の血(自己血といいます)を400ml貯めてもらいます。しかし、実際はあまり出血しないので、殆どの場合、自己血を輸血する必要はありません。手術は40分前後で終わり、手術後は3週間くらい歩行訓練を行なって退院していただいています。

医師紹介
医師
本家 秀文
資格・役職等 ■日本整形外科学会 整形外科専門医
卒業 佐賀医科大学 医学部医学科
研修施設等 佐賀医科大学付属病院
佐賀県立病院
多久市立病院
我汝会えにわ病院
医師
橋本 哲
資格・役職等 ■日本整形外科学会 整形外科専門医
卒業 佐賀医科大学
医師
野中 俊宏
資格・役職等
卒業 佐賀大学
医師 古畑 友基
卒業 佐賀医科大学 医学部医学科
研修施設等 佐賀大学付属病院
嬉野医療センター
医師
馬渡 正明
資格・役職等 ■日本整形外科学会 整形外科専門医
■日本股関節学会評議員
■脊椎脊髄病医
略歴 昭和58年九州大学医学部卒業
昭和63年九州大学大学院医学研究科修了
平成3年スタンフォード大学留学
平成6年九州大学医学部整形外科助手
平成9年九州大学医学部整形外科講師
平成17年佐賀大学医学部准教授
平成22年佐賀大学医学部教授
  ※毎週木曜日と土曜日の週2回、佐賀大学の馬渡正明先生においで頂き、股関節専門外来と股関節疾患の手術を行なっております。先生は関節外科、特に股関節外科を専門とされており、日本一の股関節手術症例を誇る佐賀大学整形外科で教授として、ご活躍中です。
整形外科

馬渡教授の指導のもと、我々整形外科スタッフは、病棟スタッフ、手術スタッフも股関節外科手術に対し経験を蓄積し、短時間に正確に手術と安全な術後管理ができるようになっています。術中、術後に大きな合併症をおこした方はおられず、非常に良好な成績が得られています。股関節でお悩みの方は、どうぞ外来でご相談ください。

 
ドクターの一言

当院は救急病院のため、整形外科を受診する患者様は主に骨折等の外傷が多く、速やかな診断と治療を第一に心がけており、CT(3D処理を含む)やMRI検査も必要時にすぐ行えるようにしています。手術についても毎日対応できるようにしており、主に午後に行っております。その為午後に外来を受診される患者様には、時に緊急の手術等でご迷惑をかける事がございます。ご理解頂けますようお願いしますと共に、一般外来はなるべく午前中に受診される事をお勧めいたします。整形外科を受診する多くの患者様は痛みをとりたい、元気に動けるようになりたい、より良く生活したい等、つまりは生活の「質」を上げる事を希望され、来院なさいます。私たちは皆さまの悩みに対し、どういった症状にはどういった治療が必要か、また病院での治療だけでなく、普段どのように事に注意するべきか等を十分に説明し、納得して頂けることが大切であると考え、毎日の診療にあたっています。