高気圧酸素治療

高気圧酸素治療とは

 高気圧酸素治療とは、チャンバーと呼ばれる筒型のアクリルドームの中に人を入れて、2絶対気圧(海底約10mと同等の圧力)に加圧し、純酸素を吸入させる事で、普通私たちが生活している大気圧下での約10倍の酸素を体内に供給して様々な疾患を治療するというものです。

 通常の酸素吸入は、血液中のヘモグロビンに酸素をいかに効率よく結合させるかを目的とした治療法で、ヘモグロビン全部に酸素が結合した場合、それ以上の酸素を各組織に送る事はできません。これに対し、高気圧酸素治療では、ヘモグロビン全部に酸素が結合した後も、治療装置内の圧力を上げる事で、血液中に酸素を溶かし込む事ができます。これによって、各種の低酸素状態を改善させる事ができます。また、酸素自体がもっている細菌に対する毒性を利用し、感染症の治療にも利用されています。

 この治療法は、潜水病、一酸化中毒、ガス壊疸等に始まって、最近は脳梗塞、腸閉塞、網膜動脈閉塞症、突発性難聴、重症感染症等にも応用されるようになりました。

適応疾患

  1. 急性一酸化炭素中毒およびその他のガス中毒
  2. ガス壊疸(嫌気性菌による感染症)
  3. 低酸素脳機能障害、脳浮腫、脳塞栓症
  4. 腸閉塞
  5. 突発性難聴
  6. 網膜動脈閉塞症
  7. 熱傷、凍傷、重症感染症等

治療法

  1. 患者様にベッドに横になったままドームの中に入って頂き、徐々に気圧を上げていきます。
  2. 大体10〜20分をかけて上げていき、そのまま60分間治療を行い、再び15〜20分位かけ大気圧まで下げていきます。副作用としては、加圧時の耳の痛みが主なもので、耳抜きと呼ばれる操作を覚えれば殆どの患者様が治療可能です。

この治療法は、あくまで補助的治療法の一つであり、元々の疾患に対する根治療法や手術療法を不要とするものではない事はご承知下さい。