病理診断科では、患者さんの病変から採取された組織や細胞から病理診断に必要な顕微鏡標本を作製する臨床検査技師と、標本を観察し、その細胞の配列や形態を元に病理診断を行う医師(病理医)が診療科の1つとして病理診断業務を行うことで日常診療に貢献しています。
病理診断科とは
病気の適切な治療のためには、患者さんの病気がどのようなものであるのかを正確に診断することが不可欠です。
診断には様々な種類があり、胃や腸などの内視鏡検査によって病名が付けられる事を「内視鏡診断」、超音波検査やエックス線検査、CT検査などによる診断を「画像診断」と言います。
これに対して、病理医が患者さんの体から採取された臓器や組織、細胞を肉眼あるいは顕微鏡を用いて観察し、この病気がなんであるか、そのくらい進行しているかなどの判定を行うことを「病理診断」といいます。
診療内容
組織や細胞の採取は外科や内科、泌尿器科、皮膚科などの臨床医が行いますが、採取された病変を肉眼的および顕微鏡的に観察して診断を行うのは病理医です。病理診断は、患者さんの治療方針を決める重要な行為であることから、医師が行う「医行為」であることが定義されており、医師でなければ行うことはできません。病理診断は大きく分けると4つがあります。
組織診断 | 小さな組織をつまみとったり、切り取ったりして検体を採取し、診断を行います。 |
細胞診断 | 尿や喀痰などの液体状の検体や粘膜組織からこすりとった細胞などの検体を用い診断を行います。 |
電子顕微鏡診断 | 患者さんから得られた検体を電子顕微鏡を用いて観察し診断を行います。特定の種の腫瘍や腎臓疾患の中には、この方法を用いなければ診断できないものもあります。 |
病理解剖診断 | 亡くなられた方に対して解剖を行い、病気の進行状況や治療経過状況を調べることで死亡要因等について診断を行います。 |
また、カンファレンス(症例検討会)等を通じて、各診療科や診療グループとも密接な連携を取り、問題点の解明、治療方針の決定など医療チームの一員として患者さん一人ひとりの治療方針の決定に寄与する情報を提供しています。
さらに、診断業務を通じて得られた病理学的知見は院内のみならず広く院外にも発信することで、医療の進歩に貢献し続けています。